わが青春の町、渋谷。
20年以上も前から未だに残っている店には色々な感慨がある。
兆楽、麗郷、喜楽、いんでいら、ムルギー、鳥竹、山家、龍の髭などなど…。
この日はそんな一店、カレースタンドのカイラスに行く。
小雨降る13時過ぎ、西武A館の地下で安いワインを買った後、道玄坂方面へ。
私の拙い記憶では、カレースタンドながら上品な洋食屋風の佇まい、
恰幅のいい眼鏡をかけた笑顔を絶やさない男性と優しそうな女性二人でやっている…。
しかし行ってみると自分の記憶のいい加減さに情けなくなる。
古びて雑然としたカウンターに、恰幅のいい男性も優しそうな女性もいない。
何か全く別の店と記憶が混同しているのだろう。
店頭のメニューを見てから入店する。
全10席という店内には空席は一つ。
そこに座り、カツカリー850円を辛口で、カツ50円を1個追加で注文する。
カウンター内に店員は4人。
その内最も年配でもの凄く動きがスローな女性が全行程の一番重要な部分を担っているようだ。
注文から4分くらいで出来上がってくる。
通常4個乗るひと口大のカツが5個乗っている。
カレーはモッタリというよりはどちらかといえば水性な感じだ。
食べる。
なかなかの辛さだ。
カレーはこれといった特徴もなくオーソドックスだがケチのつくところのない味。
ぐっと魂をつかまれるような魅力はないが毎日でも食べられそうな感じと言ったらいいか。
カツもコロモはサクッとして肉は硬くなく、まずまずと思う。
こんな人気店だったっけ?と思うくらい客は入れかわり立ちかわり。
女性客はなく、ほぼ全員がカツカレーを注文していた。
この店に関する私の記憶で間違っていなかったのはカレーが美味いことだけだった。
カリー カイラス (カレー / 神泉駅、渋谷駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.2