五反田駅周辺には歴史のありそうな古びた大衆中華の店が多い。
なんとなく店構えを見て入店をためらうような店もある。
目黒川沿いの東京酒樓もまさにそんな店の一つである。
肌寒い平日の昼下がり、ためらいを振り切って一人で入店する。
13時半頃の入店で先客は6〜7人ほど。
若いサラリーマン、OLが多く、女性一人客もいる。
フロアはあまり愛想のよくない男性店員が一人で賄っていて、呼んでも返事をしない。
まあ大衆中華の店ではよくあることだ。
メニューを見る。
ランチの麺飯類がかなり豊富で、あんかけチャーハンにも惹かれたが、
肉細切りやきそば880円とちょこっとマーボ220円を注文する。
窓から目黒川の風景をぼーっと眺めながら待っていると、
ものの3分くらいで出来上がってくる。
まずは焼きそばから・・・まったく期待せずに箸をつける。
麺は細めでカリッと炒められている。
好きなタイプの麺だ。
あんの具は青菜、白菜、もやし、タケノコに豚肉、あんは醤油味だが濃くはない。
肉細切り焼きそばを注文するとそばの上に青椒肉絲がのってくることがあるが、
この店のはもやしを除けば具のバランスがいい。
続いてちょこっとマーボを食べる。
ねぎ、豚挽肉が使われ、山椒があまり入らない、いわゆる日式麻婆豆腐である。
だが豆板醤の辛さがしっかり効いていて、変な甘さがなく美味い。
気がつけば、14時近くになっても次々に客が訪れて店はそこそこの入りだ。
客は相変わらず若いサラリーマン、OL風の人ばかり。
これはひょっとしたら隠れた評判店だったのではないか・・・。
後で五反田で長く働く知人にこの店のことを聞いたところ、
案の定、昼どきはいつも満席でなかなか入れない人気店だそうで、
夜も結構本格的な料理をリーズナブルに出す、五反田ではよく知られた店という。
五反田大衆中華の店はすべて行ったわけではないが、
この店は味ではトップクラスと言っておこう。
昼総合点★★★☆☆ 3.4