クソ暑い平日の昼、幡ヶ谷界隈を歩く。
陽気のせいか、ストレスか、或いは毎晩の深酒のせいか、あまり体調がよくない。
初台まで歩いて懸案の蘭蘭酒家の餃子をとも思ったが、あまり気が進まない。
初台まで歩くのなら加賀のそばかな・・・、
この体調だとあの分厚いかき揚げはやめておいた方がよさそうだな・・・、
なんて思いながら甲州街道を歩いて店に向かう。
店に着いたのがピーク時と思われる12時半。
恐る恐る店内を覗いてみると、なんと客はたった一人だけ。
チャンスだ。
あわてて券売機の前に立つ。
無意識に冷かき揚げ玉子そば520円のボタンを押す。
出て来た食券を店員に渡したところで、
かき揚げを控えるつもりだったことを思い出す。
まあいいか。死にゃあしない。
店は2人の中年男性によって賄われている。
かき揚げは注文を受けてから揚げ始めている。
コロッケやちくわ天はバットに揚げ置きが置かれているので、
春菊天もきっと注文を受けてから揚げ始めるのだと思う。
注文から4分ほどで出来上がってくる。
かき揚げは玉ねぎがメインで人参とネギが入る野菜かき揚げだ。
厚みは4pくらいありそう。
これをつまみにヱビス黒生を飲みたい衝動をぐっと飲み込む。
そばものど越しが良くて美味い。
ネギを大量に入れ、玉子を崩してそばにからませて食べる。
この瞬間が立ち食いそば屋で冷しを食うときの一番の楽しみだ。
更にかき揚げをばらしてひたひたで食べるのが楽しい。
私の後に続々と客が訪れ、ちょっとすると店外に待ち客が出るほどの盛況だった。
私はたまたま運がよかっただけだったのだ。
客は大半が一定の年齢以上の男性サラリーマン一人客だったが、
女性OL二人組客もいた。
立ち食いそば屋で女性客を見かけるのも珍しくもなく違和感もなくなってきた。
いずれ冷春菊天玉子そばを食いに来よう。