夜はスナック、昼は本格スリランカカレーの店、
「スナック コスモス」の評判はかねてより聞いていたが、
何度か来ても一度も営業していたことがなかった。
後で知ったが、11時開店とされている情報が誤りであることが原因だったようだ。
13時過ぎに26号を車で通っていて、店が営業中であることを見つけ、
近くの路上パーキングに車を停めて店に行く。
店のドアを開けると、店内でくつろいでいた二人の店員が慌てて立ち上がる。
恐らく昼のピークが過ぎて一息ついたところだったのだろう。
二人の内の一人の年配の婦人が近づいてきて、カウンター席に導かれる。
メニューを見ると、スリランカのカレー、南インドのカレー、北インドのカレーに加え、
“コスモスカレー”なるカレーの4つのカテゴリーがある。
チキンと野菜たくさんのカレーと書かれたコスモススペシャルカレー1,200円を注文する。
辛くするようお願いすると、その老婦人から、
「辛いのがお好きならかなり辛くできますが…」
と言われ、その挑戦的な申し出に引っ込みがつかず、
「じゃあそうしてください。」
と言ってしまう。
すぐにセットのホットチャイが出てきて、それを飲みながら待つ。
店はもろに昭和のスナックの雰囲気だ。
二十数年前はこんな内観の都内の場末のスナックばかりに行っていた。
レーザーディスクのカラオケ機を見ると懐かしさで涙がこみ上げてきて、
「メリージェーン」とか「星降る街角」なんかを歌いたくなってしまうのである。
ミントとマンゴーのチャツネも出て来る。
カレーがもうすぐ出来上がるというサインだ。
注文から12分ほどで出来上がってくる。
プレートにラグビーボール状のご飯と、皿に入ったカレー、二種のピクルスがのる。
ご飯は白米、黒米、緑豆、黒豆、ごま等が混じった雑穀米にレーズンが加わる。
カレーは鶏肉にいんげん、ピーマン、人参などの具が認められ、
ミキサーにかけられたような野菜片が入っているのが分かる。
食べる。
からあーい。
CoCo壱番屋換算で5辛と言っておきたい。
引っ込みがつかないとか言ってる場合じゃなかった。
スリランカのカレーはモルディブフィッシュという鰹節のような魚出汁が使われる、
というような話を聞いたことがあるが、そういう味は感じなかった。
辛すぎて分からなかっただけかもしれない。
食感はサラサラで、スパイス感はそれなりにあるのだが、
ともすれば成分が薄いような感じがする味わいだった。
夜はどういう雰囲気の店になるんだろう。
昼と同じ年配の二人が営んでいるのだろうか。
奥で調理をする主人は寡黙でなんとなく怖い感じがして、
ちょっと興味を持った。