平日午前10時半、相変わらず外国人旅行客で賑わう築地場内市場を歩く。
今日の目あては1号館の禄明軒だが、なんとシャッターが下りている。
がっかりしつつ、何のあてもないままフラフラと場外のもんぜき通りへ。
そういえば去年の12月に鳥藤分店に行ったら改装中でフラれたんだっけ、
と急に思い出し、店に行ってみると見事に営業中だ。
入店すると、全16席の小さな店内は盛況で、
外国人と思われる女性店員に唯一空いていた2人用テーブル席に座るよう指示される。
私の直後に来た観光客風女性二人客は満席で入店を断られていたが、
入店後15分くらいで店内は一気にすいたので、
常に満席の人気店ということでなく、タイミングによって運不運があるだけだろう。
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かつては場内店と場外店ではメニューが違ったように思うが、今は一緒だ。
かつて存在した鳥重や比内重はなくなり、から揚げは竜田揚げになった。
一度食べてみたいと思っていたぼんじり温玉丼800円ととり竜田揚げ600円を注文する。
卓上にはゆず一味、ゆず七味、山椒、塩が置かれている。
隣席の外国人旅行客四人組が店内で記念撮影を始め、
それに写らないように身体をよじらせながら、料理が来るのを待つ。
注文から8分ほどで、ぼんじり温玉丼が鶏スープと共に出て来る。
丼の三分の一ほどに盛られたご飯の上にぼんじりの小片が並べられ、
温泉玉子が上にのり、紅生姜が添えられる。
ぼんじりはご飯を覆うほどの量ではなく、見た目にボリュームは寂しい。
食べてみると、ぼんじりはかなり甘く煮つけられ、きんぴらのような味がする。
焼き目がついているので、炙られてから煮られたか、煮てから炙られたか、
はよく分からない。
温泉玉子を割って黄身にぼんじりをつけると、甘さが和らいでややマシになる。
やはり人気の親子丼を注文すべきだったか、と後悔しながら食べる。
その約1分後にとり竜田揚げが出来上がってくる。
大ぶりの鶏が4個並び、ぼんじり丼に一転してボリューム満点の品である。
小麦粉と片栗粉の併用と思われるコロモはかっちりと硬く、カリッとした食感だ。
鶏肉はモモ肉が使用され、しっとりとして旨味も十分ある。
薄く塩味がついていて、ゆず七味をほんの少し加えると更に美味くなる。
これまで食べて来た唐揚げの中でも有数の一品と言える美味さだ。
丼は量が乏しく味が濃すぎ、竜田揚げは量が多くてやや薄味。
こういうのを『いってこい』と言うのだろうか。
シャモの親子丼やチキンキーマカレー、シンガポールチキンライスも気になるので、
いずれまた来たい。