虎ノ門に「フリッツ」の系譜を引くカツカレー専門店ができた、
との情報を得たのが7月の初旬のこと。
午前の新橋での用事を早めに澄ましたこの日、
炎天下に虎ノ門まで歩いて、その「ジーエス」を目指す。
開店時間の午前11時ちょうどに着くと男性一人が店頭で開店を待っている。
すぐに店内から女性店員が出てきて開店となり、その男性に続いて入店する。
入口すぐ左脇の券売機の前に立つ。
メニューにあるカツ皿単品の注文が昼はできないようなので、
カツカレーにもう一枚カツをトッピングすることはできない。
名物カツカレー1,300円の食券を買い、女性店員に渡す。
私の後からも入店客が続き、カウンターのみ全12席の店内に、
開店直後は私を含めて男性一人客ばかり6人ほどが席についた。
私がいる間にその後訪れる客は無かった。
卓上には千切りキャベツ用と思われるオニオンドレッシングや、
大辛味スパイス、福神漬替りの生姜の酢漬け、いわゆるガリに、
フリッツやポンチ軒にも置かれていた太陽ソースや、
クラフトのパルメザンチーズなども置かれている。
注文から11分ほどでカツカレーが出来上がってくる。
カレー、ご飯、千切りキャベツが並んで盛られ、
千切りキャベツの上にカツが、ご飯の上に付け合せがのる。
ナス、ジャガイモ、玉ねぎ、パプリカをスパイスで煮たものに加え、
キュウリと玉ねぎのピクルスが付合せとして盛られる。
カレーはやや緑がかった黒色で、粘度がないシャバシャバ質だ。
デリーのカシミールカレーとはちょっと異質の黒色に見える。
かつは肉の断面が最大1.8p、肉だけで100g程度のボリューム。
カツカレーのカツとしては十分すぎる厚さとボリュームと言える。
断面を見ればコロモの貼りつき方や肉の切れ目の繊維、色など、
十分に立派なとんかつとして成立する仕上がりになっている。
食べる。
カレーは独特のスパイス感で、刺々しさがまったくない。
きっとカツに合うように研究されたのだろう。
カツは赤身がやや硬くてパサツキがあるが、臭みはまったくない。
メキシコ産の豚肉を使用しているとの情報があるが、
恐らくカウンターのみの庶民派店としてコストを考えたのだろう。
カレーにまったく辛さがないので、卓上のスパイスを大量投入する。
だいぶ美味くなる。
虎ノ門はメタボ貧乏サラリーマンの街だ。
1,300円というゴルフ場のランチ並みの価格のカツカレーが
この地の人々には簡単には受け入れられないと思う。
(いっぺこっぺのカツカレーですら1,000円で食べられる。)
しかし、評判を聞いて遠征して来る人は多いだろう。
今後この地に根付いていくのか、注目していたい。
カツとカレーの店 ジーエス (欧風カレー / 虎ノ門駅、内幸町駅、霞ケ関駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.5