夕方までかかりそうだと思っていた業務が昼過ぎに終わり、
昼抜きも覚悟していたのに、ゆっくり昼飯を食べられることになり、
浮かれ気味に東京オペラシティを出る。
当てもなく初台不動通り商店街に入り、たまたま“とんかつ”の暖簾を見つけ、
空席がありそうだったので、その「シャンホル」に入る。
13時15分の入店でカウンター5席のみの1階フロアに先客は男性二人のみ。
2階にも十数席のテーブル席があるよう。
店は30代くらいの男性が一人で切り盛りしている。
店内の表示などから本来は肉料理をウリにしたバル、洋風居酒屋のようで、
ランチタイムはとんかつ店として営業しているようだ。
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最上位品の特ロースとんかつ定食は限定3食と表示されている。
「すいません、特上ロースはできますか?」
「大丈夫ですよ。」
というわけで、特上ロースとんかつ定食2,100円を注文する。
また、少々迷った後、ちょこっとカレー300円も追加で注文する。
卓上にはドレッシング、とんかつソース、ウスターソース、
食卓塩、醤油が置かれる。
厨房での調理の様子が席からはっきりと見え、
特上ロースの揚げ時間はキッチンタイマーで7分にセットされた。
揚げ上がった後、数分間油切り用の立て台に置かれていた。
注文から15分ほどですべてが出来上がってくる。
とんかつ皿には千切りキャベツの他にポテトサラダとわさびが盛られる。
味噌汁はわかめと豆腐が具で、ご飯は少なめでお願いしている。
「自家製のたまねぎ醤油がおすすめなので試してみてください。」
と店主から言われる。
料理の写真を撮っていいか聞くと、
「どうぞ・・・よろしくお願いいたします。」と言われる。
とんかつは縦以外に横にも一本包丁が入り、
その断面を外に向けるという珍しい並べ方で金網の上にのる。
肉の厚みは最大で2p、肉だけで180g程度のボリュームだろう。
恐らく並、上、特上はボリュームでなく肉質の違いだろうと思う。
おすすめに従い、醤油とワサビで食べてみる。
断面を見れば、繊維がきれいに流れ、脂身がきらきらと光り、
食べる前から美味いであろうことは確信していたが、
赤身もしっとりとして心地いい弾力がありほのかな旨味を感じ、
とても美味い。
薄めについたコロモも軽やかで肉にしっかりと貼りついている。
左端の片を見ると、赤身も色や繊維の流れで二つの層に分かれている。
特上ロースはリブロースなのだろうか・・・。
さて、カレーである。
色は濃く、粘度はそれほどなく、煮込まれた牛バラ肉ブロックが入る。
茶碗にかつを一片のせ、
茶碗カツカレーを作る。
カレーはオーソドックスな味だが尾を引く辛さがあり、
スパイス感はあるもののとんかつ屋のカレーの域を飛び出てはいない。
かつを美味く食べられるカレーとしてはとてもよく出来ている。
事前情報がない上での訪問だったがとても満足感が高かった。
きっと、無名の良質とんかつ店はまだまだ潜んでいるのだろう。
主人はとても感じが良かったので、いずれ夜にも来てみたいと思う。
このロースかつ片を肴に樽の効いた赤ワインでも飲んでみたいものだ。
シャンホル (ダイニングバー / 初台駅、西新宿五丁目駅、幡ケ谷駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.9