午前11時過ぎ、横浜橋商店街を歩いていて、
「お弁当いかがですか?」という若い女性の声に無意識に足を止める。
看板には“とんかつ、とりの唐揚げ、しょうが焼き”の文字・・・
肉料理に特化した定食屋っぽい感じになんだか惹かれる。
「中でも食べられるんですか?」「はい、もちろんです。」
というわけで、「マルかつ食堂」に入店する。
入店すると、奥のテーブル席で既に3人の若者が酒盛りをしている。
店の主人らしき女性に「本当の開店は11時半なんですけど」と言われ、
“本当の開店”ってなんだよ、と思いながら店を出ようとしたところ、
先程の弁当の女性が店内に入ってきて「いや、どうぞどうぞ」・・・
カウンターの椅子に座り直し、メニューを見る。
つまみ類は14時よりと書かれているが、先客には提供されている。
きっとあらかじめ予約していた馴染みの客たちなのだろう。
定食はとんかつ、唐揚げ、しょうが焼きとエビフライの4種で、
岩中豚のとんかつに惹かれたが、もっと惹かれたのが“超しょうが焼き”。
「お肉の量が通常の倍なんですよ」という店員の説明を聞き、
超しょうが焼き定食1,380円をご飯少なめで注文する。
卓上にはウスターソース、サウザンアイランドドレッシング、マヨネーズ、
醤油、七味唐辛子が置かれる。
また店内表示に、ご飯はおかわり一杯まで無料と書かれている。
注文から16分ほどで出来上がってくる。
豆腐とねぎの味噌汁としば漬けがつく。
しょうが焼きは豚バラ薄切り肉と玉ねぎを炒めたもので、
確かにボリュームは多いが、倍盛といって驚くほどでもなく、
並盛だったらかなり物足りなかっただろうと思ってしまう。
食べてみると、やや甘めの味つけとなっている。
生姜の利きが甘いのか、玉ねぎの甘味に引っ張られているのか、
なんとなくひと味足りないような印象を覚えた。
また、しょうが焼きから浸み出すタレが乏しいため、
つけ合せのキャベツの千切りをタレに浸して食べるという、
一般的なしょうが焼きが持つ重要な楽しみをここでは実現できなかった。
やむを得ず、野菜類はサウザンドレッシングをかけて食べた。
過去には刺身定食や天丼などもあったが、メニューは簡素化されたよう。
肉ものに特化した定食屋として売り出していくのであれば、
もうちょっとボリュームを大胆にして存在感を主張すべきではないか。
まだ新しい店のようだ。
庶民派食堂が多い界隈だが、いい店になっていってほしいと思う。
マルかつ食堂 (定食・食堂 / 阪東橋駅、黄金町駅、伊勢佐木長者町駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.3