天気の悪い平日午前10時過ぎ、新橋から都バスに乗って豊洲市場へ。
目あては築地時代に何度も行った「とんかつ八千代」だ。
10時半頃市場前駅近くでバスを降り、管理施設棟の3階に行く。
築地場内時代とは全く別世界のように人出は乏しい。
店を見つけて入店すると、全16席の店内に先客は3人ほど。
2人用の小さなテーブル席に座り、壁に貼られたメニューを見回す。
ラインナップは恐らく築地時代と大きくは変わっていないと思う。
ロースかつ定食を食べるつもりでいたのだが、急に気が変わり、
穴子、ハモ、アジフライ定食2,000円とサービスカレー100円を注文する。
かつて築地場内でとんかつなら「八千代」か「小田保」だった。
「豊ちゃん」も人気店だったが、本格とんかつの店と言うよりは、
かつ丼、かつ煮の店という印象だった。
私はロースかつなら「小田保」の方が美味いと思っていたが、
「八千代」にはスパイシーなカレーというキラーコンテンツがあった。
注文から5分ほどで漬物の小皿が出て来る。
黄色くないタクアンと白菜、きゅうりの浅漬けが入る。
その2分後に定食が出来上がってくる。
穴子、アジ、ハモフライが一皿に盛られ、タルタルソースがたっぷりかかる。
アジフライは一尾だが見た目に厚みがあるのが分かり、
パン粉の目の粗いコロモをまとって、なかなか見映えがいい。
箸で身を二つに割り、半分をタルタルソースで、半分を醤油で食べる。
ハモフライは二切れ盛られている。
やはり箸で半分に割って断面を見ると、
しっかり身が骨切りされているのが分かる。
穴子フライは“一本揚げ”だ。
断面を見てもまずまずの身の厚さ。
タルタルソースより、醤油をほんのちょっと垂らすのが美味かった。
アジもハモも穴子も高温揚げの目の粗いコロモのサクッと感が
しっとりとしてフワッと軟らかい白身とよく合った。
そしてサービスカレー、いわゆるちょいがけカレーだ。
いかにもマサラ色の見た目に反さない、スパイス感のあるカレーで、
鶏肉、玉ねぎ、にんじんなどの具に混じって、
マスタードシードやタマリンドのようなものが認められる。
酸味と甘みの奥に追いかけてくる若干の辛さがある。
とんかつ屋ではなかなか味わえない種類のカレーだ。
久々にロースかつも食べたいし、カキフライも食べたい。
10月以降になったらまた来たい。
小田保にも行きたいし、トミーナにも天房にもやじ満にも行きたい。
豊洲市場内の宿題は多い。
とんかつ八千代 (とんかつ / 市場前駅、有明テニスの森駅、新豊洲駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.6