スパゲティグラタン、いわゆるスパグラの美味い店があると聞けば、
多少の遠征は厭わず行きたいと思っている。
肌寒い雨天の平日昼、向かったのは新富町の洋食店「築地蜂の子」だ。
開店時間の午前11時半より数分過ぎて店に着き、入店すると、
テーブル席のみ全46席の店内に先客は常連らしき年配男性一人客のみ。
しかし、徐々に客の入店が続き、15分もすると八割の卓がうまった。
客層は男性サラリーマングループやOL風女性一人客など様々だ。
メニューを見る。
注文は事前に決めているので確認のチラ見をするだけだ。
デミグラスのスパゲッティグラタンのカテゴリーの中から、
たまソーセージ950円を大盛200円で注文する。
すぐに千切りキャベツのミニサラダとタバスコが出される。
外観も内観も落ち着いていて、銀座の洋食店を感じさせる佇まいだ。
店主らしきフロアの年配女性は店内で絶対的権力を持っているようで、
もの凄くゆっくりな言動に威厳を感じる。
店主らしきフロアの年配女性は店内で絶対的権力を持っているようで、
もの凄くゆっくりな言動に威厳を感じる。
注文から8分ほどでたまソーセージ大盛が出来上がってくる。
金属の皿に入り、皿ごと焼き上げられているのが分かる。
デミグラスソースが焼ける香ばしい匂いが漂ってくる。
食べる。
スパゲティは間違いなく茹で麺で、ブヨっとした食感だ。
私が子供の頃のスパゲティは家でも外でもみんなこんな麺だった。
ソースはかなり甘めで、既製のチープなケチャップの味を感じさせる。
具はソーセージの他にキャベツ、玉ねぎが認められる。
これらをデミグラスソースと茹で麺とともに炒め、
チーズをのせて皿ごとオーブンで焼いた、という品なのだと思う。
“グラタン”は広義には表面を焦がすように焼いた料理を指す言葉なので、
メニューでのスパゲッティグラタンという表現は間違ってはいないが、
みーすけUと違いベシャメルソースが入っていないので、
スパグラというよりは、ホフブロウのようなスパピザの方が近い印象だ。
ソーセージは本格派でなく、一般的で家庭的なものだ。
中から生の卵黄が出てくる。
このことからも分かる通り、熱いのは表面だけで、中心部はぬるい。
だから卵黄を崩してまぶしても固まったりはしない。
それどころか、ただでさえぬるかったのが余計に全体がぬるくなる。
小さなレバー片が底の方に沈んでいるのが認められる。
“フランス料理店”を標榜しているし、一見高級感を感じさせるが、
実はかなりジェネラルで庶民派の、日本古来の洋食店なのだろう。
少なくとも食べたものにまったく高級感は感じなかった。
実はかなりジェネラルで庶民派の、日本古来の洋食店なのだろう。
少なくとも食べたものにまったく高級感は感じなかった。
(既製のタバスコが出てきたときに、なんとなく覚悟した。)
他のほとんどの客はハンバーグやフライなどのセットランチを食べていた。
カキフライが絶品だとの声もある。
この店の真価はスパグラではなかったようだ。
他のほとんどの客はハンバーグやフライなどのセットランチを食べていた。
カキフライが絶品だとの声もある。
この店の真価はスパグラではなかったようだ。
昼総合点★★★☆☆ 3.0