昼までかかるはずの新橋での仕事が午前10時過ぎに片づき、
13時に銀座で予定している次の業務までぽっかりと時間が空いてしまう。
こんな時間だから、と新橋駅前から都バスに乗り、豊洲市場に向かう。
10時50分頃に市場の水産仲卸棟に入る。
人の出は、もちろん以前の築地場内ほどではないにしろ、
半年ほど前に来た時よりはだいぶ活況に見える。
とりわけ寿司大の行列は築地時代の人出を取り戻しているかのようで、
半年前に来た時に入っておけばよかった、と思ってしまった。
さて、店の選択はここに来るまでのバスの中で迷いに迷ったのだが、
バスが市場に着く頃には気持ちはとんかつとカキフライにほぼ固まった。
移転後初訪問となる「小田保」である。
全22席ほどの店内に先客は15人ほど、観光客らしき人が半分くらい、
市場内やこの周辺で働いていると思われる客が後の半分、という感じ。
女性店員に、一人客用の6人テーブルに導かれる。
(画像クリックで大きくなります。)
卓上のパウチメニューやカウンター上の黒板メニューを確認した後、
ロースカツ定食1,500円、カキフライ400円×3、納豆100円を注文する。
禄明軒なども候補として考えられたが(豊ちゃん、磯野家は現在閉店)、
なんと言っても八千代とこの小田保が二大とんかつ店であった。
八千代にはチャーシューエッグ、ちょいがけカレーという名品があったが、
こと、とんかつの味だったら私は小田保の方が断然上だと思っていた。
注文から16分ですべてが出来上がってくる。
わかめとネギのシンプルな味噌汁がつき、納豆にはネギがかかっている。
尚、店内表示はないが、ご飯は無料でおかわりができるようだ。
カキフライ3個はとんかつと同じ皿に盛られる。
タルタルソースがつき、粗千切りキャベツの上にポテトサラダがのる。
まずはロースカツから食べる。
カツは肉の厚みが最大1.2p、肉だけで170g程度のボリュームだと思う。
横に一本包丁が入り、一口大の12片にカットされている。
高温揚げ、卵成分の多いカリッとしたコロモは意外と肉から剥がれず、
肉には適度な脂身がついている。
断面の肉の繊維が暴れているという見た目に反して、これが美味い。
脂身は融点低くほのかな甘みがあり、赤身も豚肉らしい旨味がある。
肉がいいのか、熟成をかけているのか、下処理がいいのか・・・
カキフライは大ぶりの牡蠣一個ものであり、食べ応え満点。
コロモが割れて汁が閉じ込められている感じがなかったのは残念だが、
身の食感はダイナミックというほかなく、
タルタルソースでも醤油+レモンでも遜色なく美味かった。
美味いロースカツとカキフライに納豆ご飯を合わせる幸せ・・・
値段はずいぶん上がった。
でも“場内でとんかつなら小田保”は変わっていないと思った。
但し、旬の魚のバター焼きや牛バラ焼肉など気になるメニューもあり、
揚げ物単品追加メニューも豊富なので、
是非、違う体験をしに来てみたいものだ。
とんかつ小田保 場内店 (コロッケ・フライ / 市場前駅、有明テニスの森駅、新豊洲駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.7