「うちの近くにランチで盛りのすごいちらしを出す店があるんすよ。」
二ヶ月ほど前に世田谷在住の会社の後輩N君から耳よりの情報を得る。
店の名は「さかなや」、場所は日大商学部キャンパスの近くだという。
普段あまり行かない地域だけに、つい後回しになってしまっていたが、
この宿題を年内に片付けようと、平日のこの日の昼、行ってみることに。
用賀駅から東急バスに乗って国立成育医療研究センター病院前で下車、
そこから2分ほど歩くと、焼肉屋の二階に店を見つける。
午前11時ちょうどだがまだ開店しておらず、寒い中、店の前で待っていると、
5分ほどたって男性店員が出てきてメニュー看板を出し、開店となる。
古びた鉄の階段を上がり、二階の店に行く。
全27席にもちろん先客はなく、カウンター席に座る。
私のすぐ後に学生らしきカップルと年配男性一人客が入ってきた。
(画像クリックで大きくなります。)
昼のメニューは8種、もちろん一番人気のちらし寿司900円を注文する。
カウンターの上にネタが入るショーケースがあるので
一見、庶民派の寿司屋か海鮮料理屋的な内観だが、
壁に貼られた夜メニューを見ると、普通の居酒屋であることが窺える。
卓上のカスターセットを見ても、それは明らかだ。
店は主人らしき男性と女性二人の三人で切り盛りされている。
男性は出入り業者と商談していて、調理は一人の女性が一手に行っている。
注文後すぐにお茶、奴、ごく僅かな桜漬けが出てくる。
その4分後に油揚げ、わかめ、もやしの入った味噌汁が、
更に1分後にちらし寿司が出来上がってくる。
確かに、ネタが桶からはみ出し、なかなかの見映えだ。
内容はマグロ赤身、ねぎとろ、かつお、甘えび、タコ、ブリ(ハマチ?)、
〆さば、玉子焼き、かまぼこ、ガリである。
マグロやブリは比較的厚めに切られている。
小皿の醤油にネタをつけながら食べる。
正直言ってこの値段だから、身が締まった新鮮な刺身がのるわけではない。
もちろん、大きな期待はしていないからそれでいい。
ねぎとろはざらっとした食感で、脂身っぽい成分をまったく感じない。
おそらくすき身はまったく使用せず、赤身だけで作っているのだろう。
まあ、劣悪回転寿司店のように不自然な油脂成分を加えるよりは全然いい。
ご飯(もちろん酢飯)の量がかなり多かった。
大盛や特盛にするとご飯が更にものすごい量になるとの情報がある。
ご飯の量はそのままに、アタマ、うわものだけ大盛にできるといいのに、
と思った。
とにかく見映えが売り、インスタ時代に対応したちらし寿司と言える。
正直、夏場は避けたいが、季節を変えてまた来てみようとは思う。
昼総合点★★★☆☆ 3.3