愛宕界隈でひと仕事終え、閑散とした街中を新橋駅方向へ歩く。
こういう時は、自分は世の中に必要な仕事をしているという信念が必要だ。
魔女狩り的な空気に屈せず、自信を持って意気揚々と歩かなければいけない。
途中、通りがかった新店らしきカレー店「KARILAND」に入ることにする。
午前11時15分の入店でカウンターのみ全8席ほどの店内に先客はなし。
公称全50席とのことなので、2階にテーブル席があるのかもしれない。
一番奥のカウンター席に座り、メニューを見る。
普通のカレースタンドかと思って入ったが、スープカレーの店のよう。
トッピングにロースかつがあるのを見つけ、心の中でガッツポーズをする。
カレー以外に日替わりのプレートランチもあるが、目に入らない。
この日は粗びきポークカレーができない、と店員に言われる。
集客を見込めない時世下だから、提供可能な品を絞っているのだろう。
オリジナルチキンカレーHOT1,000円、カレー増し150円、
トッピングロースかつ400円を注文する。
すぐに、明らかに出来合いの福神漬けとらっきょうが小皿で出される。
卓上には調味料類など何も置かれていない。
こんな様子から、“本格的なスパイスカレーを食べられる”
という期待は、正直言ってまったく持てなかったのである。
注文から約9分で出来上がってくる。
カレーはご飯とセパレートされ、丸い陶器に入って出される。
具は煮込まれた大ぶりな鶏もも肉3片に、玉ねぎ、ピーマンなどに加え、
あらかじめ素揚げされたと思われるジャガイモが入っている。
ごはんは平皿に盛られ、ロースカツがあらかじめのせられている。
かつは肉の厚さは最大5o、肉だけで80g程度のボリュームだ。
パン粉の目の粗い厚めのコロモは肉から剥がれやすく、
恐らく自家製のロースかつなのだろうと思う。
カレーをご飯の平皿にかける。
札幌式スープカレーなら、
ご飯をよそったスプーンでカレーをすくうのが一般的な食べ方だが、
ごはんにかつがのっかっているので、それにカレーをかけるべきだろう。
カレーは水性であり、カルダモン、クローヴ、コリアンダーなど、
スパイスの味わいが丸まらずに直に分かりやすく感じることができる。
札幌式のスープカレーとはちょっと違う。
だから、ご飯にかけてもロースかつと合わせても十分にイケる。
辛さはCoco壱番屋換算で4辛くらいだろうか。
美味いカツマサラだ。
煮込まれた鶏肉もなかなか美味かった。
できれば豚バラ肉の煮込みのオプションがあればいいのに、と思った。
粗びきポークカレーの豚肉は挽肉らしい。
私はスープ状のカレーの具には豚バラ肉の塊が最も合っていると思う。
なかなかの満足感だった。
もっとカレーに刺々しいスパイス感を感じるようにさせ、
ロースかつのクォリティが上がり、カレーの辛さを更に増すことが出来たら、
都内屈指のカツマサラ店になるのではないかと思うのである。
KARILAND (カレーライス / 新橋駅、御成門駅、汐留駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.6