猛暑日の昼前、末広町で用事を終えた後、あてもなく昭和通りに出る。
ふと、通りがかった「スパイス・ラー麺 卍力」の前で立ち止まる。
おお、これが話題のスパイスラーメンの人気店か・・・
でも昨日も激辛のカレー食べてまだお腹の調子が良くないしなあ・・・
しばしの葛藤の後、まあ一度経験しておくか、と入店することにする。
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入ってすぐ左手にある券売機の前に立つ。
メニューは基本はスパイスラー麺一種であり、
トッピング類や、辛さ増、スパイス増などでカスタマイズするスタイルだ。
スパイス・チャーシュー麺1,080円、辛さ・スパイス増140円の食券を買う。
平日午前11時半、全12席の店内に先客は3人ほど。
コロナ渦もあるのかもしれないが、
むしろ、この炎天下でラーメンなんか食べる気にならない人が多いのだろう。
スパイスラーメンと言えば、昨年、池袋の釈迦で初体験し大いに魅了された。
また行きたいと思っていたが、昨夏に新宿に移転し、
麺が細麺から太麺に変わったとの情報を得て興味を失ってしまった。
ちょうどその頃この卍力の評判を聞いて、一応気にはしていた。
西葛西の本店は行列店だが2号店の当店はそれほど並ばずに入れる、
とも聞いていた。
食券を渡してから5分ほどで出来上がってくる。
上部を2枚の大判のチャーシューが覆い、その上にパクチーがかかる。
真っ黒いスープには具として茹でたブロッコリーが浮かんでいる。
チャーシューの表面を見ると細かく砕かれたホールスパイスがかかっている。
これがスパイス増なのだろう。
麺を持ち上げた瞬間にスパイスの香りが湧き立つ。
食べる。
麺はほとんど縮れのない中太麺だ。
まず、クミンと花椒を強く感じる。
その後にコリアンダーやブラックペッパーの刺激が追っかけてくる。
そしてほんのりとスターアニスの宗教的な甘さを感じる。
スープにはスパイスが14種入るというから、いっぱしのスパイスカレー並だ。
但し、カレーっぽさを強く感じさせない。
釈迦のスープの方がカレーっぽかったように思う。
醤油ダレやトマトを加えているのだそうだが、それが理由かもしれない。
辛さ増は唐辛子をテンパリングしたような香味油でつけられていそうだ。
ラーメンを食べて太らないコツはスープを残すこと、とよく言われるが、
このスープを目の前にしてレンゲを止めるのはなかなか難しい。
このスープを目の前にしてレンゲを止めるのはなかなか難しい。
チャーシューは脂身の多い部分のロース肉をロール状に巻いて煮たもの。
軟らかくホロホロと崩れて、とても美味かった。
チャーシューの裏に隠れたもやし炒めは、
ニンニクと一緒に炒められているようで、スープとよく合った。
辛さを和らげる役目も果たしていた。
若い店員たちの接客姿勢もとてもよく、いい店だと思った。
美味かったけれど、正直言って、釈迦のときのような、
心の奥底を鷲づかみにされるような魅力までは感じなかった。
それでも日がたてばまた食べたくなってくるようなラーメンかもしれない。
このジャンルがどんどん広がり、ユニークなラーメンの登場を期待したい。
スパイス・ラー麺 卍力 秋葉原店 (ラーメン / 秋葉原駅、末広町駅、仲御徒町駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.5
ラベル:ラーメン