朝早くからの面倒な仕事を片付け、さびれた商店街を方南町駅方向に歩く。
こういう街には必ず年季が入っていて気の利いた大衆食堂があるものだ。
早めの昼飯を、と向かったのは「やしろ食堂」である。
午前11時20分の入店で全18席の店内に先客は年配男性一人のみ。
店は年配の男女と中年男性の三人で切り盛りされている。
カウンター席にすわり、壁一面に貼られたメニューを見まわす。
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全貌を認識して選択肢にするのが難しいくらい品数が多い。
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定食メニューの種類が多く、そのおかずを単品注文できるため、
メニューのバリエーションを膨らませているのだが、
つまみ系の品や煮物などの総菜類も豊富で、しかも魅力的なものが多い。
目の前のショーケースには、がんも煮、肉大根煮、厚揚煮、茄子みそ炒など、
大皿に盛られた魅惑の総菜類が並んでいる。
これらをちょっとずつもらってビールを飲みたい気持ちを必死に抑える。
注文は子持カレイ煮魚定食780円、ご飯少なめでお願いしている。
ワカメと豆腐の味噌汁、ゴーヤの浅漬けに加え、
ゼンマイ煮、白菜ともやしの卵とじ煮が付け合わせとしてつく。
これを盛っている際、ショーケース越しに「厚揚煮を」とお願いしたら、
老婦人店員さんがおまけで一個のせてくれた。
カレイは真子(卵巣)部分は大きいが、身は残念ながら薄い。
身に勢いはなく骨が多いが、まあそんなものかなあ、と思う。
あらかじめ調理されていたものをレンジで温め直して出されている。
もう一品、単品とんかつ370円を注文している。
こちらは揚げたてだ。
肉の厚さは最大1p、肉だけで120gくらいのボリュームだろう。
家庭で出てくるような、昔懐かしいとんかつだ。
これが意外と臭みがなく、脂身も美味くてちょっとびっくり。
まあ、まったく期待しないで食べたのがよかったのだろう。
もし家の近くにあったら昼に夜にと定宿になっているだろう。
こういう店は年季が物を言う。
急にやり始めてもこの雰囲気、使い勝手はきっと出せない。
例えばまいどおおきに食堂ではここまでワクワクすることはない。
何とかアクセスの難を乗り越えて、夜に一人で飲みに来てみたい。
尚、ご飯少なめは30円引きとなるようだ。
昼総合点★★★☆☆ 3.3