HPで「江戸時代から続く八百屋が始めたうどん屋」を自称する。
銀座界隈でファストスタイルのうどん店としては最も人気のある店だ。
かねてより行きたいと思っていた「太常うどん」に行く。
日比谷線東銀座駅から4分ほど歩き、午前11時ちょうどに店に着く。
まだ準備中の札がかかっていて、
店頭に販売用に並べられた野菜や果物を見ながら待っていると、
男性店員が私に気づいたようで、店内の灯りをつけ札を営業中に変える。
セルフスタイルであり、入って左手のカウンターでまずうどんを注文する。
基本のかけうどんは温、冷から選べ、温はかけ、冷はいわゆるぶっかけだ。
かけうどん冷450円を注文する。
さあ、待ちに待った野菜天選びである。
種類豊富な野菜天がカウンターに並ぶ様は壮観だ。
天ぷら用の皿は二種くらいしかのせられない大きさだが、
とても二種に絞れないほど目移りし迷う。
結局、野菜かき揚げ、パクチー、アスパラガスなどに未練を残しつつ、
ジャンボなめこ200円、スナップエンドウ120円、九条ねぎ150円を選ぶ。
天ぷらを決めた頃にうどんが出来上がって受け取り、会計をして席につく。
古民家風の店内は全45席で椅子は木製スツールだ。
一人で来てさっと食べて帰るのにいい雰囲気だが、夜は居酒屋になる。
しばらく客は私一人だったが、10分くらいすると後客が入り始める。
店は二人の男性店員によって切り盛りされる。
一人がうどんを、もう一人が天ぷらと会計を担当しているようだ。
さて、うどんを食べる。
うどんには大根おろし、おろし生姜、ねぎ、九条ねぎがのせられている。
まずは出汁ツユをすすってみる。
ぶっかけのツユとしては味はそれほど濃くなく、ごくごくと飲めそうな感じ。
昆布、いりこ煮干、うるめ、さば節、鰹節、そうだ鰹節などで出汁をとり、
薄口しょうゆが加わり、化学調味料は一切不使用、とHPには書かれている。
みりんなどは入らないと思われ、変な甘味がないのがいい。
うどんはやや細めでエッジはそれほど感じない。
つやつやとした表面は舌触りがなめらかで食感は軟らかいものの、
中心部の弾力、抵抗感はかなり強い。
香川県産の小麦粉を使用しているというので讃岐うどんの影響があるのだろうが、
讃岐風のうどんとしてはコシの強い部類になるのではないかと思う。
天ぷらはうどんの出汁ツユにつけて食べる。
ジャンボなめこは旨味が強く、三つの中では一番印象的だった。
一番人気という九条ねぎは苦みが丸まっている感じ。
揚げ立てではないから仕方ないか・・・
卓上に置かれた醤油が既製瓶の丸大豆しょうゆだったのが残念だった。
うどんはとても美味かった。
こだわり野菜を使ったつまみ類も面白そうな品が多いし、
夜メニューにはカルボナーラ風などのかわりうどんもあるようなので、
一度夜に酒を飲みに来てみたいと思った。
太常うどん 銀座本店 (うどん / 東銀座駅、築地市場駅、銀座駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.6