西日暮里駅まで遠征してきたのは、駅近くの讃岐うどん店に行くため。
店があるはずの場所に行くと、なんと天丼屋に業態変更している。
午前11時半、天丼を食べるか・・・いや、天丼の気分ではない。
しばし考える・・・、そういえば近くにビリヤニの人気店があったはず。
iPhoneで場所を調べ、「シルクロード」に向かう。
(画像クリックで大きくなります。)
11時36分に店に着き、店頭の券売機の前に立つ。
ビリヤニが人気の店と聞いていたが、カレー、ナン、タンドーリ料理に加え、
ドーサやサモサ、ピックルまである。
ビリヤニはチキン、マトン、シーフードの内の一種が曜日替わりで出され、
水曜の今日はチキンだ。
ビリヤニ990円の食券を買い、入店する。
カウンターのみ全6席の小さな店内に先客は男性一人のみ。
店はインド人の男性店主一人によって営まれている。
店主がオーディオのスイッチを入れるとヒンディー感満点の音楽が大音量でかかる。
食券を渡してから8分ほどでアルミのプレートに入ったビリヤニが出され、
直後に小さなカトリに入ったサンバルが出される。
ビリヤニはバスマティライスが使用され、
そのライスは白、黄色、オレンジの三色に染まっている。
カレーリーフ、グリーンカルダモン、マスタードシード、クミンシード、
クローブ、コリアンダーなどのホールスパイスがふんだんに入っている。
端にはマイソールチャトニーがのせられている。
一緒に炊き込まれたチキンレッグがライスの下に隠れている。
食べる。
全体にややしっとりと、ベチャっとした仕上がりだ。
「ビリヤニ、ハジメテ?」
主人が話しかけてくる。
「いや、何度も食べてます。」
「ミナミインドリョウリ、スキ?」
「ええ、大好きです。」
すると、主人はビリヤニの作り方を説明してくれる。
たっぷりの水で大きな鍋で大量に作る、二度茹でる、などと言っていたが、
BGMがうるさくて聞き取れない部分もあった。
サンバルはトゥールダールがたっぷり溶け込んでいるタイプ。
辛さもそこそこあってとても美味かった。
それを主人に言うと、嬉しそうに「毎日作っている」と言っていた。
主人の目を盗んでこっそりサンバルをビリヤニにかけて食べる。
美味いけれど、この店では別々に食べた方が美味そうだ。
「カラカッタ?」
確かに薄っすらと汗ばんできた。
ビリヤニもサンバルも後を引く、心地よい程度の辛さがあった。
ついこの前までビリヤニをバリヤニとか言ってたくせに、
ちょっと人にダバインディアに連れていかれたことがあるだけで
ずいぶん前から南インド料理通だったようなことを平然と抜かしている
胡散臭いアホを私は知っているが、
そういう手合いに褒められればまともな店もそれだけで価値が下がってしまう。
ビリヤニは分かる人だけが楽しめばいい、奥深い料理なのだ。
マトンやシーフードのビリヤニを食べに、また来よう。
シルクロード (インドカレー / 西日暮里駅、千駄木駅、田端駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.7