ひと月ほど前、あるサイトに掲載されたチャーハンの画像に瞬殺された。
店を調べれば横浜市南区の住宅街の真っただ中にある日式町中華店だ。
運よく京急線沿線に仕事の用事が出来たこの日、弘明寺駅からバスに乗り、
「中華ダイニング たくみ」に行く。
開店時間の午前11時より4分ほど早く店に着く。
店の前を掃除していた女性店員から「もう少々お待ちください」と言われ、
そのまま立っていると、1分後くらいに店内に招き入れられた。
卓上のグランドメニューを見る。
チャーハン、玉子あんかけチャーハン、エビチャーハンが掲載される。
しかし、私が瞬殺されたのはこれらではない。
あったあった、壁にメニューが表示されている。
名物チャーシュー炒飯と名物肉玉子炒飯の二品である。
他に黒板に書かれたガーリック肉カレー炒飯という品ももの凄く気になる。
迷った末、名物肉玉子炒飯1,000円と自家製餃子(6個)470円を注文する。
尚、もやしそば極みという品も人気メニューのようだ。
店は主人らしき男性と二人の女性の計三人の店員で切り盛りされている。
2014年創業のようだが、鉄道駅から遠く商店が少なくて人通りも乏しく、
なぜこのような立地で始めたのか不思議でならない。
私の滞在中に男性一人客が2人、後客として入ってきた。
卓上には醤油、酢、辣油、コショウの他に自家製の食べる辣油が置かれる。
注文から9分ほどで肉玉子炒飯とスープが出て来る。
スープはラーメンの汁と思われ、旨味調味料がガッチリ使われた味だ。
肉玉子炒飯はチャーハンを薄焼き卵が覆い、琥珀色のあんがかけられ、
その上に炒められた豚小間肉、小口切りのねぎ、万能ねぎがのせられる。
玉子が半熟の仕上がりであんがかかってキラキラと光り
添えられた真っ赤な紅生姜とのコントラストが見た目を引き立てている。
ダイナミックかつ彩りの美しい、期待通りのヴィジュアルと言っていい。
食べる。
中のチャーハンは具がナルトとねぎのみ、あんかけなのでしっとりしていて、
塩味はあまり濃くないが、やはり旨味調味料の味はしっかりと感じる。
玉子と肉とチャーハンを一緒にレンゲですくって食べる。
いいね、B級感満点で。
豚肉の味もシンプルで甘みや酸味が抑えられていて全体の調和を崩さない。
見た目も味も、この肉玉子炒飯の方が上のように思う。
チャーハンの4分後に餃子が出来上がってくる。
標準的な大きさのものが6個並ぶ。
肉と野菜のバランスの取れたオーソドックスな味でニンニクは入らない。
ここで食べる辣油を使う。
これがなかなかの味で、オーソドックスな餃子にパンチが加わった。
汁麺系の料理に使っても面白そうだと思った。
万難を排してわざわざ来てよかった。
2020年のベストフォトジェニック賞はこのチャーハンで決まりかなあ。
まだまだ実物を見てみたいチャーハンは巷間にいくつかあるにはあるが。
それにしても、繁華街にあったらかなりの人気店になるのではないか。
別のチャーハンを食べにまた来よう。
そんなことを思いながらPayPayで会計をして店を後にし、
近くの停留所で20分ほど待って弘明寺駅行のバスに乗った。
中華ダイニング たくみ (ラーメン / 弘明寺駅(京急)、上大岡駅、弘明寺駅(横浜市営))
昼総合点★★★☆☆ 3.8