当ブログを愛読してくれている知人から携帯メッセージが届く。
「最近あまりとんかつ食べないんですね。」
・・・期待に背いているということなんだろうなあ、と考えるわけである。
本年9月にオープンしたばかりながら評判の「Front du CHATON」に行く。
平日13時10分、全29席の店内に先客は5人ほど。
女性店員から「お好きな席にどうぞ」と言われ、2人用テーブル席につく。
HPには“猫の額のよう”と記されるが、まったくそんなことはなく、
ゆったりとして、新店らしく明るくて清潔感があるカフェのような内観だ。
(画像クリックで大きくなります。)
ランチメニューは日替りも含めて6種でこの日の日替りはから揚げ定食だ。
ロースかつは並が200g、大が300gと説明される。
並にしたいところだが、愛読者の期待を考え、
ロースかつ定食(大)2,000円を注文する。
「定食にカップのカレーをつけられますけど・・・」
「じゃあそれも。」
女性店員の挑発に乗るかのようにカップカレー200円も注文する。
この店では豚肉はすべて林SPFポークが使われる。
私は正直言って林SPFポークの分厚いロースかつがあまり好きではない。
ラードで揚げた際の独特の脂香が好きでないのだ。
だから林SPFポーク使用と聞くと、評判が良くても行きたいとあまり思わない。
恐らく知人からの携帯メッセージがなければこの店にも来なかっただろう。
注文から18分ほどで出来上がってくる。
調味料類は卓上に用意されておらず、小さな片口食器に入ったソース、
業務用小袋の洋芥子、珍しい細長い形状のミルに入った岩塩が盆にのり、
醤油がなかったので頼むと、やはり片口に入れて出される。
かつは一見して180度くらいの高温で揚げられていることが分かる。
林SPFポークに高温揚げ・・・苦手な要素が揃っている。
ん?・・・でも独特の香りがしないな。
肉だけで厚さは最大2.5pくらい、260〜270gくらいのボリュームだと思う。
このクラスのロースかつに対峙するのは久しぶりだ。
脂身は豊富についていて、特に右側の片に向かって多くなる。
食べる。
本来淡白なはずの赤身は林SPFポークにしては旨味をしっかり感じられて、
高温で揚げた割にパサつきはなくしっとりとしいていい感じだ。
脂身は、独特のクニュクニュした食感はあるが、舌にまとわりつく感じはなく、
嫌な香りはまったくない。
恐らく植物性の油で揚げているのだろう。
カレーは中程度の粘度があり、欧風の色合いで目立った具はない。
もちろん茶碗カツカレーにして食べる。
野菜が溶け込んだ欧風の味わいで、後からピリッとした辛さが追いかけてくる。
辛味はカイエンペッパーでつけられているのではないかと思う。
カレーで食べるのも美味かったが、
やはりこのかつは醤油をちょびっとたらして食べるのがよかった。
とんかつ用の余った豚肉片がふんだんに入る豚汁も美味い。
大根、ニンジンが入り、生姜がガッチリ利いていた。
店を切り盛りする若い三人の店員たちの接客もとても良かった。
こんな時世下にオープンしたから苦労が絶えないとは思うが、
我慢して続けていればきっと人気店になる。
これまで食べた林SPFポークのロースかつでここまで美味いと思ったことはない。
林SPFポークだからといって敬遠するのはもうやめよう。
Front du CHATON (洋食 / 神保町駅、九段下駅、竹橋駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.9