幾度となくTVを始めとするメディアで紹介される「菜来軒」の五目炒飯。
かねてより食べてみたいと思っていたが、とにかく店のアクセスがよくない。
両国駅、錦糸町駅、本所吾妻橋駅を結ぶ三角形のちょうど中心にあり、
ただでさえ普段行かない地域で、しかもどの駅からも歩いて15分近くかかるのだ。
しかし、いつまでも宿題を残してはいけない、と意を決して行ってみることにする。
JR両国駅から散策がてらのんびり20分くらいかけて歩いていき、
公称午前11時半開店だが、11時24分頃に着くとすでに営業中となっている。
入店すると先客は無く、カウンターの一番奥の席につく。
すぐ奥の座敷席の端に荷物やダウンジャケットを置かせてもらう。
卓上のメニューを見るが、見なくても決まっている。
五目炒飯750円と餃子(ギョーザ)450円を注文する。
店は年配の女性と二人の男性によって切り盛りされている。
調理はほぼこの女性主人が一手に行い、数人分の炒飯が入る中華鍋を振るのである。
町中華の人気店は年配の人が営んでいていい風情を醸し出している場合が多いが、
この女性主人は男勝りで、二人の男性店員やすべての客の上に君臨している印象だ。
注文から11分でまず餃子が出来上がってくる。
標準的なサイズのものが6個、皿に盛られている。
食べてみるとニンニクとニラの味がしっかりとするタイプで、
かなり多めの湯で茹で焼きされたと思われ皮の結び目側がしっとりとしている。
その1分半後に五目炒飯がラーメンの汁と思われるスープとともに出て来る。
炒飯の上に玉子焼き、炒めた海老、チャーシュー、かまぼこがのる。
正直言って、事前に想像していたよりはだいぶこじんまりしている。
見た目も期待したほどの華やかさやダイナミックさは感じない。
世のフォトジェニックチャーハンの見た目の鍵となるのは玉子であることが多い。
玉子焼きがもうちょっときれいに全体を覆っていたらインパクトがあっただろう。
まあ、勝手に期待しすぎただけなのだが。
炒飯自体にも玉子とチャーシューがネギとともに具として入る。
食べてみると、いわゆるしっとり系であり、旨味調味料もガッチリ利いている。
私は中華料理の化学の力はほどほどであれば特に抵抗はない。
なかなか美味かった。
私のあとに男性一人客ばかり5人ほどの入店が続いたが、満席にはならなかった。
やはり五目炒飯が一番人気のようだが、野菜炒めを注文する人も数人いた。
経験できてよかった。
錦糸町や亀戸にはいい町中華の店が多く、つまり宿題もたっぷり残っている。
多少のアクセスの悪さに根を上げてはいけない、などと思いつつ、
節約のため道路を行き交う都営バスには目もくれず、再び両国駅まで歩いた。
昼総合点★★★☆☆ 3.5